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教えて先輩!【水素燃料船の取り組み】

2025.07.27

教えて先輩!【水素燃料船の取り組み】

  • プロジェクト紹介
  • 教えて先輩
ONOZOでは、複数の会社と共同で、大型低速2ストローク水素炊き二元燃料エンジンを主機関として搭載する船舶の開発に取り組んでいます。そのプロジェクトに携わる先輩たちに話を聞きました。

PROFILE

設計部 機電設計課

Y.S.

2012年入社
工学部第一類(機械システム工学系)卒

設計部 船舶開発課

T.K.

2011年入社
大学院理工学研究科修了
Q.
この取り組みは、どのようなものですか?
船主さま、エンジンメーカー、燃料供給装置メーカーなど、複数の企業が連携して進めている水素燃料船のプロジェクトで、ONOZOは船舶の建造を手がけます。従来の使用燃料である重油と比較しCO₂の削減効果が約25%あり、天然ガスを燃料にした船はすでに存在していますが、燃焼の際にCO₂が発生しない水素を噴射可能な大型の低速2ストローク水素炊き二元エンジンを搭載した船は世界初の試みです。建造が始まり実証運航を実施するのは2027年度末になると見込まれています。この革新的な取り組みにより、持続可能な未来の船舶技術に大きく貢献できることをめざしています。
Q.
どんな成果が得られましたか?
世界的に脱炭素という動きがある中、ゼロエミッション燃料である水素を主燃料とする船舶を開発・建造することで、海運における脱炭素化に貢献します。また水素の利用には特別なノウハウが必要となることから、このプロジェクトを通して開発・設計・建造の各ステージで知識や経験を得ることができます。
Q.
取り組みの中でのあなたの役割は?
設計部には4課あり、各課1名ずつ選出されて、そのメンバーでプロジェクトを進めています。私は機関室および水素供給システムの初期計画を担当するほか、設計のリーダーとして、プロジェクトの工程管理、社外との窓口業務や、問い合わせ事項に対して社内に展開して意見をまとめる、ということを主に担当しています。
私は過去のプロジェクトでガス燃料船の開発に携わっていたこともあるため、その知識も生かし、リーダーのもとでメンバーをけん引できるよう取り組んでいます。また社内調整はもちろん、各メーカーや船級協会、船主さまとの仕様協議も行っています。
Q.
どんなやりがいを感じましたか?
携わっている各社の新規開発プロジェクトに対する情熱を感じながら、共通の目標達成に向けて日々連携を深めながら、一つひとつの課題を解決しています。またガス燃料船の建造が当社としてはじめての試みなので、検討事項は膨大にありますが、少しずつ図面が形になり、設計が進んでいく過程を目の当たりにすることで、プロジェクト実現に向けた実感が増してきています。
水素燃料船が完成したときには、間違いなく大きな達成感が得られるのではないかと思います。プロジェクトに際しては、HAZID会議(リスク評価会議)で想定されるリスクの洗い出しを行うのですが、安全性を確保するために私たちが実施すべきことについて解決策が見えたときには、少し達成感を感じました。
Q.
自身の学びや、改めて感じたONOZOの強みは?
水素燃料船には特有の装備が数多くあり、安全性もしっかり担保する必要があります。それらは「追加」という形になるため、限られたスペースを有効利用しなければなりません。今回は上流段階からプロジェクトにかかわれていることに大きな学びがありました。また部門の垣根を越えた協力体制が非常によく、各部門が連携をしながら課題解決に取り組む姿勢が当社の強みだと感じています。
通常の重油燃料船とは違って規則が厳しく、多くの規則を理解できたことは大きな学びです。またプロジェクトチームを組むことで、若手も主体的に意見を出して取り組むことができるのは、成長につながります。強みとしては、当社のこれまでの経験を共有し、それぞれの立場で物事をとらえることで課題解決につなげていけることだと思います。
Q.
今後取り組んでみたいことは?
水素燃料船はこれまで経験したどの船よりも難度の高い取り組みなので、今回得たノウハウをほかのプロジェクトにも落とし込むことで、より高付加価値の船が提供できると確信しています。
これからも船が重要な輸送手段であり続ける以上、ゼロエミッションは私たちにとっても真剣に向き合わなければならないテーマです。今回の経験は、将来のゼロエミッション船の建造に確実に生かせると思います。
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